EDITORIAL NOTE~編集後記~76-1

text1:新設ショッピングモールに見る地方マーケットの移り変わりと地域の役割の変化pt.1


いよいよ2021年10月にイーアス春日井がオープンするようです。春日井市民の方であれば、ご存じかと思いますが、ザ・モール春日井Pt1の跡地に大和ハウス工業がデベロップメントをした複合商業施設です。「ローカルの間」を立ち上げる一つのきっかけが、そのザ・モール春日井pt.1=元「春日井西武ショッピングセンター(SC)」の撤退であり、地域情報誌へコラムを毎月掲載していた頃の「ローカルズラウンジ」二回目では、この撤退について取り上げています。それだけ地元にとって、いや少なくとも私にとってとても大きな影響力ある出来事といえるのです。そのため、今回のイーアス春日井でのショップスタッフ募集の広告には興味があり、それを元に編集後記を書きたくなるのは、至極当たり前のことなのです!そして、どんなショップが入るかを確認すると同時に、地方マーケットの移り変わりや地域の役割の変化をも感じてしまうわけです。

 国道19号から既に、工事中(2021年8月現在)ではあるものの、イーアス春日井の正面を確認することができます。そこには、”土地の記憶”といってもよいでしょう、ザ・モール春日井Pt.1時代に日本最大級を誇るステンドグラスが建物の一部として飾られてましたが、それを加工し小規模にしながらも再利用しています。これは、過去から今日いや未来に対して継承した、一本の串をさし一つにした、ということなのでしょう。そして、迫力ある全貌は、とても存在感があり、あの古き良き時代を彷彿させてくれます。さらに、詳細は不明ですが、電動モビリティを利活用した事業を地元の取組として行う予定らしいのです。こういった地域が関わるところは、規模こそ小さくなってしまったものの、地方創生の一環として、また過去から少しでも培ったノウハウが継承されていると共感しました。そう、元々”春日井西武SC”時代はハイブランドも目立ちましたが、半数近くは地元の商店が出店をしていたのです。これは、地元商店街振興組合の努力の賜物でしょう。ご本人達は生き残りをかけての行動だとは思いますが、地域にとっても大切な動きです。

 ところで、そもそもの設計はどうだったかというと郊外型のリーズナブルなショッピングモールを建設する予定だったと聞きます。ところが、それではコストの割に採算が合わない。そのため百貨店のような高級路線に変更したといわれています。当然、設計会社やゼネコンの方々は相当な苦労を重ねて建物を竣工させたようです。しかし一方で面白いのは、その頃の名古屋の商業(百貨店)マーケットです。地元の4Mの攻防戦により東京資本の百貨店は、名古屋市中心部(栄)での出店をすること自体とにかく厳しかった。そこで、名古屋市のベッドタウンであり、交通網が発達している春日井市に目を付けたわけです。ひとつのターゲットとして高蔵寺ニュータウン(NT)に住む方々になるわけですが、ここなら名古屋まで行かなくても買い物ができるため根こそぎ?いける!という話です。と、考えると最初からある程度高級路線を意識していたのではないでしょうか。当時からするとNTはトレンドであり先進的な住宅街、なのでそこはハイソ(死語かな)な人たちが住む街、今でいうタワマンみたいなものでしょうか(いい過ぎました!が、この頃はまだまだ日本も右肩上がりの良き時代のような)。さらに日本の三大NTといわれるだけあって首都圏の方々からしても、とてもよいイメージだった気がします。例えば、他都市から高蔵寺NTへ移住してくる層なのでサラリーマンでありながら繰り返しますがハイソということ。そして「西武」との親和性があること。そう考えると郊外型リーズナブル路線を即座に決定するとは思えません。工期のスケジュールとマーケティングやコンセプトを決定する時期がちぐはぐになったのかなと感じます。あるいは工事金額を何かと抑えるための方策だったかもしれません(ウガッタ見方ですが。まあ、あくまで私見です…)。
 さてさて、4M神話も郊外型も、2000年以降の都市再生政策、都市再生緊急整備地域(全国の中の一エリアが名古屋駅周辺)によって大きく変化してしまいました。ザ・モール春日井pt.1を運営していた西友もバブル崩壊後は、米ウォルマート子会社化し、高級感は一気に失っていったわけです(改めて思います。最後までラルフローレンが営業していたことはすごいことだな、と)。こう考えると、一つのマーケットが持続すること、同じことをやり続けられるのは10年〜15年で、ポイントは20年でそれが変換期なのでしょうか。

 と、まあ、そんな背景があったわけですが、大手資本と地元小規模商店の連携は、地域の特色の一助になると私は思います。

・・・それがこの時代ですと、大型商業施設ならばイオン、ECならばアマゾンや楽天と出店側という関係性へ変化してしまったのでしょうね・・・。


♧ザ・モール春日井pt.1時代のステンドグラス
日本最大級であることが、モニュメントからうかがえる。バブル時代だったからなあ。


◆ローカルの間/ローカルズラウンジ
https://www.aboutlocals.jp/posts/6487799?categoryIds=2152219


◆イーアス春日井
https://kasugai.iias.jp/


◆エンドウ・アソシエイツHPより

https://www.yendo.co.jp/works/772


◆エンドウ・アソシエイツ加藤峯男の無陸
https://ameblo.jp/mickat/entry-10486527440.html


◆4M(ウィキペディアより4M1Tとして)
https://ja.wikipedia.org/wiki/4M1T

ローカルの間

The "Locals Lounge" edites it about locals, local attractive point, regional activation of Japan and posts it. “地域資源”が”地域価値”となるような モノコトを探索します。