その店のコンセプト、本当に発祥?おかしなブランディングでも成り立つ業界とは?

 今回の緊急事態宣言が発令される前、伝串という居酒屋でささやかな少人数会があり少しだけ参加しました。伝串とは「でんぐし」と呼び、何やら新橋をウリにしている。なんだか、伝統的な串焼をサラリーマンの味方である下町風情ある東京新橋で長く展開されてるような印象です。新橋といえば、駅前の広場や汽車、雑多に並ぶ飲食店にほろ酔いサラリーマンの姿が頭に浮かぶわけなので、このカジュアルな鶏皮は新橋発祥といわれてイメージがピッタリだと感じました。
 しかし実際に、この伝串を運営する会社は、東京にオフィスがある会社ですが、実は本社は三河安城本社の会社だそうです。しかし東京新橋をイメージした昔ながらの串屋をFC化した店舗展開なのです。こうなると、味や店舗設計だけでつくれてしまいます。この手の商法は結構あり他には、お好み焼き本舗という大阪道頓堀お好み焼きをウリにした会社は豊橋に本社を持つ会社。また今では有名企業ですがトンカツ田中は、メインの串カツを大阪(西成というところがシビれる!)で育った同社社長の父親のレシピというよくわからんルーツにしていて、それを大阪の味としちゃってますが、歴史は浅く2008年東京世田谷が一号店なのです。
つまり、誰もが純粋想起しやすい強烈な個性を、メインコンセプトに立てながら、特に本場発祥ではなくてもフィロソフィはそこから派生している的な、現地事情があまり理解できていない人に売るという戦略?なのです。これを知ってガッカリする人もいらっしゃるでしょうけど、そこをそのオリジナルの味なのかサービスなのか、そのイメージより勝っていればそれがブランドになってしまうという好事例なのです。割と短期スパンで店舗展開が変わる飲食業界なので、それで回転するのかもしれません。


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