NO.1-4:地域にとっての「書」を考える(TEXT4)
TEXT4:「書」についてのプロが語る、「書」を通じて伝えたいこととは?
多くの書道家のリクエストにお応えするために、名古屋市内から鳥居松へ店舗を移したという「名古屋ホウコドウ」代表取締役 福西史呂氏は春日井市生まれという。そして、この名古屋ホウコドウは、広島県にあり100年以上書筆や化粧筆の制作・販売をしている熊野筆で有名な仿古堂(ほうこどう)の関連会社だ。熊野筆の販売はもちろん、「書」に関する専門的な商品をストックしていて店頭販売を行っている。
この地域は、書道家や書道教室が多く、「書」に対して根強い人気があるようだ。そういうところにも「書のまち」という文化が息づいていると言える。
「書」のトレンドとしては、大きな紙に音楽に合わせパフォーマンスすることが特に若い方には人気のようだ。近代的で、芸術として取り入れたこのパフォーマンスは、今の社会に受け入れやすいことが目に浮かぶ。但し、「書」を通じてお伝えしたいのは・・・と、福西社長は続けて語ってくれた。
「書」とは日本にとって伝統文化であり、学術であり、芸術でもある。これらは作品として扱われる。その一方で、身近な場面では手紙、慶事をはじめ様々な用途で使用されるように、身近な文化でもある。全て墨で書かれるが、途中で一度書き損じてしまうと手直しすることができない。つまり失敗しないように一字一画に対しての集中力が必要になる。それは教えでもある。「書」は、とにかく幅が広い。老若男女問わずに学び、楽しむことができるところも同様。皆さんに是非「書」を楽しんで欲しい、と語った。
(写真)名古屋ホウコドウ店内。当たり前だが、多数の「書」に関する道具や素材で囲まれている
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