#4:この「地域」の特色ある街づくり事例とは(TEXT4)

TEXT4:イベントは、街の魅力を語れるか?


流入が多いこの「勝川」では、いくつかのイベントを通じて商店街への興味喚起を行っている。その活動こそが、店舗開発の一環だという。単に参加するだけではなく、この立地や人に興味を持ってもらい、店舗誘致へとつなげるよう努力しているということだ。イベントが成功しているかどうか自己評価としてはどうか、と水野氏に尋ねると辛口で道半ばとのお話。イベントは盛況でも、まだまだ人との関わり合いに工夫が必要だということだろう。シンパシーを感じ、参加のみならずその「地域」へ様々な形で投資していただくことが主催者側の求める“一体感”なのかもしれない。

直近では、「TANEYA」「ままま勝川」の周年イベント“hang out again(ハングアウトアゲイン)”が、先月の(2019年)7月に3日間行った。最初の日は「勝川」と「熱海」の再生成功事例のトークセッションが行われたが、これを筆者は拝聴した。最初、「熱海」と「勝川」では街の構造が大きく違うのでは、と思い、セッション自体成り立つのだろうかという疑問があった。「熱海」というと、成功した観光地で温泉が有名・・というところで記憶が止まっている方も少なくないかもしれない。筆者もどちらかというとそう感じていたが、実際のパネリスト市来広一郎氏のお話を聞いて、無用の長物を用へと変えたことがよく理解できた。熱海はもはや繁盛している観光地のかけらも無く、逆にその栄光が新しいものを生みづらくしていた。それもそのはず50年の間で「観光」や「旅行」に対する考え方が変化したわけで、例えば団体旅行が主だったが、バブル崩壊後は個や家族などの少人数へと変わり、楽しみ方もその箱さえ行けば娯楽は全てそこで完結するという時代から街全体の魅力を求められる時代へと変わったという。

それと比較すると「勝川」は「観光」を主とした街ではなく、周辺環境にも恵まれている“住むための街”で、人の流れに関しては安定する要素を持っていた。その強みのうえ、自力で堅実に再開発を進めていった商店街やそこに関わる「地域」の方の尽力とぶれない企画力で乗り切ってきたという背景が大きく違うのだが、少子高齢化であり、日本の人口減からするとある意味同じジャンルなのだと考えざるを得ない。


(写真上から)「TANEYA」外観/「TANEYA」周辺街並み/「ままま勝川」周辺街並み

ローカルズラウンジ

Locals’ Lounge 「地を知り、地に親しむ文化・価値観を形成しよう」 Author/text_YatchHakata@ローカルズナレッジ Locals Knowledge specified nonprofit corporation