NO.4-5この「地域」の特色ある街づくり事例とは
TEXT5:「地域」の魅力を線としてつなげ、「人」がどんどんとつながっていくそれぞれの事業
市来広一郎氏のトークセッションは面白おかしく熱海の再生を語ってくれた。次世代のリーダーとしての活躍ぶりを感じさせたが、是非一読していただきたい書籍が、御仁が著者として執筆している「熱海の奇跡」だ。熱海再生への手順がわかりやすく記載してある。地元の人が「地域」の魅力を知るためのツアー「オンたま」。クリエイティビティの高い人たちに愛されたCafeRoca。サードプレイスというと、今では大半の方が知っている言葉だが、ひと昔前から意識している。そして「関係人口」に関わる二拠点居住者、バックパッカー、外国人を意識したゲストハウス。これら立ち上げた事業は、先ずは「地域」を線でつなぎ、流入によって「人」がどんどんとつながっていったことが大きな特徴だ。トレンドを読む力が相当お持ちなので、その知見から手掛ける事業はおそらく地元熱海にとっては突拍子もない展開に見えたかもしれない。過去にとらわれず、「地域」の特徴にトレンドと今後あるべき思想を吹き込みながら、街をアップサイクルしていく、いわば現代風の循環する「地域」づくりができたのではないかと感じた。光が当たれば、陰もできる。タイミングよく時代のニーズにのっかって成功したかのようにも見えるが、その裏では相当な苦労や危機もあったようだ。しかし、周りの人に恵まれて乗り越えてきたということがとても理解できた。「地域」づくりとは、どこまでいっても「人」との関わり合いであるが、その関わり方は時代によって変わっていってしまう。トレンドを読み解きながら、あきらめずに小さな行動と発信からでも行うべきなのだということを実感した。
(参考文献)
◆TANEYA/ままま勝川
◆hang out againイベント状況
◆熱海の軌跡/市来広一郎氏著(ダヴィンチニュース)
https://ddnavi.com/review/467196/a/
◆熱海再生を行った市来広一郎氏(シブヤ大学HP)
http://www.shibuya-univ.net/professor/detail/1037/
◆市来広一郎氏による熱海再開発紹介記事(ゲンダイ)
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/56405
(写真上から)「ままま勝川」/「TANEYA」「ままま勝川」周年イベント「hang out again(ハングアウトアゲイン)」のトークセッションフォト。トークセッションは、勝川アセットマネジメント取締役/一般社団法人エリア・イノベーション・アライアンス代表理事 木下斉氏と株式会社machimori代表取締役 / NPO法人atamista代表理事 市来広一郎氏を中心に展開された。成功事例の紹介や参加者も参加できるような工夫が施された。水野隆氏によるとはじめての試みとのことだったが、この活動が「勝川」の街を今後大きく変えるのだろうと感じた。
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