NO.7-3この「地域」で多様に働くことができる場所
TEXT3:「快適空間」というコンセプトは、“マーケティング”力を強くすることになっていく
福本氏ご自身がスタイリッシュな方だからだろう、流行っている店は“カッコイイ”し、ヘアサロンを手掛けるきっかけは“カッコイイ”からだという。一時期、カリスマ的なヘアアーティストが誕生し流行したが、そういったアイコンの存在自体その要素の一つだろう。ブランシェのベースをつくったコンセプトは、それよりも広く、その空間自体が快適である「快適空間」をつくることだった。流行っている店とは、人が継続的に利用する店と言い切れる。ビューティ業界における流行っている店とは、カット技術はもちろん、外観・外見デザインもそうなのだが、同社はもっと広く「快適」=トータルコーディネートをすることをベースコンセプトにしたのだ。「快適」。一見簡単に発想できそうなワードだが、CS(顧客満足)いや、福本氏のように関わる人すべての満足度を意識していなければ、このような発想は見いだせないと感じた。一日は誰もが24時間、睡眠時間などで8時間を除くと16時間だ。そのうちの1割以上を占める2時間を、ヘアサロンで過ごす、しかも付きっ切りで、だ。カスタマーにとっては、かけがえのない時間であり、無駄にできない。そのためカット技術のみならず、付加価値へとつなげようと発想したはずだ。ヘアデザインをするだけではなく、ドリンクをサービスする、マッサージをする・・・モノとしてとらえれば単なるサービス強化に見えるが、しっかりしたコンセプトに支えられたサービスなので、「快適さ」を感じたに違いない。福本氏は、「ドリンクサービスのあるヘアサロンということが話題になった」というが、それは「快適な時間が過ごせる場所があり、ヘアデザインをしてくれる」という価値観だったのかもしれない。そういったサービスをしながら、定期的に利用するカスタマーの状況を把握していく・・・それが独自のマーケティング力を強化することになる。
(写真上から)インタビュー風景。奥に自社で開発した商品が立ち並ぶ。TEXT5にある「サボデサボ」やドライヴカットシザーなど
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