#8:この「地域」の特色ある街づくり事例とはPart2(TEXT5)

TEXT5:「不易流行」という考えこそが、過去を活かし新たな未来へとつなげる


そんな魅力を活かして今後のためにつくられたテーマがこれだ。「地理」…江戸の街並みだけではなく、時を重ねて出来上がったものを“原風景”として捉える。「商店」…新しい店が短期で入れ替わり出入りしないような工夫、長く続けてもらえるような業態、名駅には無い業態。以前は花街で娯楽がある街だったことからつむぐ。「人」…名物店主が存在するように、誘致する側もキャラが立っている人にフォーカスする。「祭り」…大切にしてきた七夕まつり、それだけで終わらないように新しい祭りも行い盛り上げる。その一つはパリ祭だ。・・・このようにこれまでの個性を読み解き、そこから新たにテーマをつくり、それに沿って実行したことが成功要因だ。これはいわば「不易流行」という考え方だろう。更に、面白い発想をしているので紹介しておく。名駅に近い円頓寺本町商店街からすると、大きな通り(江川線)を超えて円頓寺商店街へたどり着くことになる。この大きな通りは、人の行動エリアを制限させるわけだが、それを逆手にとって、街に強いコントラストを付けていくことで個性を立たせたのだ。それは使い分けができなければその良さが理解できず、できるのは大人であり、大人が楽しめる街に絞ったことが特徴だ。ここが大須商店街との違いだ。新陳代謝がある大須商店街は、老若男女国籍問わず人であふれかえっている。

 お互い衰退期があり再生したわけだが、どちらが良いとか悪いということではなく、そこに介在する人によって街の個性を引き出し、つくっていくところに秘訣がある。なので、すべて商店街は一緒、というわけではないとつくづく思った。

 円頓寺商店街の場合、シャッター商店街でもその多くは二階建ての店舗で二階に住居として住み続け、一階はずっと空き店舗というパターンだ。住居となっているシャッター商店に、新たな店舗を介入するのは至難の業で、業種やお金の問題では無く、根本的に自分の“テリトリー”に入ってこられるが嫌だという。当初は楽勝と思っていた市原氏も結構な時間をかけて説得していったが、角地にある店舗から交渉していき、結果ほぼ新たな店舗が入っている。

 そんな市原氏、現在「地域間連携」をテーマに、名古屋市内それぞれ商店街の空き店舗を「地域」の人と建築家によって再生させる事業を行っている。ますますこの「地域」を活性化させていくだろう


(写真)上から:四間道にある風景/既存建物を残しながらうまくアップデートしている店舗例/路地は静かだが、目的があった訪れてくれれば商売は成り立つという


(参考文献)


◆市原建築設計事務所(Dero.Inc)
https://www.facebook.com/deroinc/

◆ナゴノダナバンク
https://nagoban.wixsite.com/nagoban/project

◆講談社「名古屋円頓寺商店街の奇跡」について
http://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000211377

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